「治療が失敗するたびに落ち込んでしまいます。」
これは、不妊治療中の方々からよく聞く悩みの一つです。
まず、それはすごく自然なことだと思います。
多くの人にとって不妊治療とは、今の生活の中で一番気合いを入れていることだからです。
この記事では、不妊治療で望んだ結果が出ずに、「落ち込んでしまった」時の考え方の一つを紹介します。
簡単に言うと、「使う言葉を少し変えてみませんか?」という内容です。
落ち込みと向き合う新しい視点が得られるかもしれません!
あくまで私の経験から得た、個人的な考えですが、何か参考になったら嬉しいです。
\この記事を書いた人/
不妊治療にかかる4つの「コスト」
不妊治療には、いろんなものを使います。
お金
保険適用になったとはいえ、高額な治療が多いです。
保険の適用にはなりましたが、年齢制限があるし、制限以下の年齢でも回数制限があるので、それを超えたら自費になります。保険適用外の治療をしようと思ったらもちろん自費になる。
不妊治療は、まだまだ発展していってる途中の医療だと思うので、どんどん「これは効くんちゃうか」みたいな治療法が出てきますし。ちょっと試してみたいとかも思うじゃないですか。
実際私もいろいろやりました。結局、丸5年治療しましたが、総額600万弱かかりました。手出しは500いかないぐらいかな。助成金でたくさん出してもらってすごく助かったとはいえ、でもやっぱり高い!
(あくまで私は、の話で、治療費の合計額は個人差がかなりあります。)
時間
時間もものすごく使います。
まずだいたいの病院が待ち時間が長い。
私が行ってたところは短かったら1時間、長かったら2~3時間待つこともありました。予約してるのになんで~?って感じですよね。
住んでる場所によったら、すごく遠い病院まで行かないといけない方もいらっしゃいます。
私が行ってた病院では、飛行機に乗って来られる方もいらっしゃるらしいという噂を聞きましたし、フォロワーさんからも、とても遠いところに何時間もかけて通ってると聞くこともちょいちょいあります。
薬を飲む時間も常に意識しないといけません。
自己注射をするのであれば、その準備時間も確保しないといけないし、点鼻薬なんかあれこそ時間ぴったりじゃないとダメだったりしますよね。時間をいつも気にする生活です。
体力
さっき話していたように、病院までの距離が遠い人は、通院も体力を使うでしょうし、その待ち時もしんどいでしょうし、あとは治療自体がそもそも本当に体力を使いますよね。
痛いし、緊張で力が入っちゃうこともあるじゃないですか。
あとは恥ずかしさとか、不安とか、そういう精神的な負担でも体力は奪われていくので、治療中は本当にクタクタですよね。
体をよくするためにちょっと運動しようかなとも思ったりもするけど、なかなかそんな気力は湧かなくて、運動できなかった自分を責めて、また辛くなって疲れるということも…。
精神力
最後に多分一番これが大きいんですけど、精神力。
不妊治療はとにかくしんどい。メンタルにきます。
なんであの人は、なんで自分はって、人と比べたり。そして比べている自分が嫌になったり。
ゴールの見えないくらいトンネルを歩いているような感覚。
幼い頃からずっと想像していた、あるべき「普通の幸せな家族」の状態が手に入らないかもしれないという絶望感。
毎月訪れる、リセット…。
私は多分不妊治療患者さんの中でもなかなかに病んだ方ではないかなとは思うんですけど、不妊治療中は、間違いなく人生で一番暗い気持ちでいることが多かった時期でした。
漫画にもちょっと描いてたんですけど、30代になって自分をどついて青あざを作りまくるという、自分を傷つけるタイプのストレス発散をするとは思わなかったです。それもショックでした。
落ち込むことは自然な反応
お金、時間、体力、精神力。この4つのことが全てなかなかの容量で削られていくのが不妊治療です。
そんな思いをしてでも、自分の子供が欲しいという夢のためにものすごく頑張ってるのに、ドキドキして診察室入ったら、紙に、「妊娠反応陰性」って書いてあるのをぺらって渡されてさ。落ち込むでしょ、普通に。
普通の反応だと思います。
落ち込む気持ちと向き合う方法
私のところに相談に来られる方の多くは、「落ち込んでしまいます」という言い方をされます。
落ち込むことはすごく辛いし、体力も使うし、できれば避けたいという気持ちから「落ち込んでしまう」とか「落ち込んじゃう」という言葉を選びをされるんじゃないかなと思います。
ここで、まず1つの提案として、「落ち込みます」と落ち込んでいる状態ということを認識するのはいかがでしょう。
「落ち込みます。」
「落ち込んでしまいます。」というよりもネガティブな印象が少ないような感じがしませんか。
「言葉がちょっと違うからと言って、なんやねん!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
たかが言葉されど言葉で。少しのニュアンスで全然印象が違うっていうことあるんです。
他人から言われた時は、そういう微妙な言葉のニュアンスを敏感に感じ取る方も多いんじゃないですか?
同じように自分の頭の中で考えたり、文字をスマホで打ったり書いたりして文章にした時、自分の口から出た時、意外と脳はその言葉の微妙なニュアンスを感じてる気がして。
だから「落ち込んでしまった」みたいに否定的な要素があると、「落ち込むことは良くないことなのに、私は落ち込んでしまっている」と頭に入力されて、気持ちがさらにどんどん落ちていく…みたいなのは結構あるんじゃないかな~と最近思います。
言葉のチョイスっていうのは、癖もあるでしょうが、意識したら変えていける部分でもあります。
なので、落ち込んでしまう→落ち込む、そういうちょっとしたところからまず変えてみるのはどうだろう。とういう提案です。
私は不妊治療中、自分のことを責めまくるセルフSMを一人でバチバチにしていた人間なんですが、それはもう病んで病んで仕方なかったです。
自分の最高の味方は自分なのに、自分がめちゃめちゃ自分を責めてくるという最悪な状況を作っていました。
私の場合、自分の言葉のチョイスに気を付け始めたのは、ブログを書いたり、SNSで発信したり、知らない方とDMでやりとりするようになってからでした。
言葉遣いや、細かなニュアンスを気にするようになったからです。
「これは誤解を産まへんやろうか?」、「嫌な思いをする人が出るような表現になってないやろうか?」など、そういう事を気にして文章を書くようになってきてから、なんだか自分もなんか少し落ち込みにくくなってきました。
人に送っていた言葉が、自分に跳ね返ってきているんです。
自分の脳は、自分の言葉をよく聞いてるなぁと感心しました。
まとめ
不妊治療で臨む結果が出なかった時、落ち込むことは決して悪いことではなく、当たり前の感情です。
すごく努力して一生懸命頑張ってきたからこそ、落ち込むんです。
落ち込んだ気持ちは努力の証です。強い気持ちの証拠です。
「こんな気持ちになるほど頑張ったんやな。私すごいなー。悲しいよな、そらそうよな、当たり前や、よう頑張った。」
なんかちょっと気持ち悪いなと思ってもいいんで1回声に出して言ってみてください。どうしても言えないんやったら私に言いに来てください。代わりにめっちゃめちゃ褒めます。
ぼちぼち行きましょうね。