こんにちは、小森うにです。
私は5年半の妊活・不妊治療を経験し、現在はエッセイ漫画家・不妊ピアカウンセラーとして、不妊治療中のしんどい気持ちや、仕事・人間関係・治療の迷いについて発信しています。
この記事では、不妊治療のことを誰かに話しても「アドバイスされるだけ」「わかってもらえない」と感じて、相談できる人がいないまま、ひとりで抱え込んでしまっている方に向けて、私の経験や考えをお話しします。
先に、いちばん伝えたいことを書きます。
アドバイスや解決策がもらえなかったとしても、自分の気持ちを話すことに意味があります。
いただいたメッセージ
体外受精を4回経験して、保険適用の残り回数に怯えながら妊活を続けている方から、メッセージをいただきました。

たまたまおすすめで流れてきて体外受精の漫画拝見しました。
妊活歴2年半以上(うち1年半通院)で、体外受精4回失敗した30代です。一度も着床無しです。
幸い保険適用になってからの妊活ですが、6回までの適用回数に怯えながら過ごしています。
何をするにも妊活が頭をよぎり、イライラしたり悲観的になってばかりです。
外食でも飲酒が気になり、旅行でも治療スケジュールが気になり、お腹に負担のかかる全ての動作が気になり、ちょっとした腹痛でも一喜一憂し、同僚の体調(もしかしてつわり?!)にも気持ちを左右されるようになってしまいました。
周りの妊活していた友達たちは、皆出産してしまいました。私だけ取り残されているようです。
ついに耐えきれなくなり、たった2ヶ月ですが休職しています。この期間に1回だけ体外します。また失敗だったらどんな顔で戻れば良いかわかりません。
もしダメだったら残りの1回をどう使うかでずっと悩んでいます。一般的な検査はほぼ全てやりきり、治療も済んでいるため、残るはPGT-Aです。
都内のあるクリニックでは、保険回数が残っている人に限り、自費のPGT-A代を7割負担してくれるクリニックがあります。
そのために、10個近く残っている凍結卵を全て廃棄して転院すべきなのか。そこで大金をはたいて、採卵からやり直すべきなのか。家を購入したばかりなのもあり、無制限にお金を使うことはできません。
5年半の妊活は、今の私には想像できないほど過酷なものだったと思います。本当に尊敬します。
結局は自分が納得できるように進めるしかないこともわかっているのですが、ただ話を聞いて欲しかったのです。眠れない夜に勢いで書いたので、支離滅裂な文面でごめんなさい。
読んで、まず思いました。
一般的な検査はほぼ全部やって、治療も済んでいて、制度のことまで調べてある。
ここまで調べ尽くした上で、それでも決めきれないくらい、重い話なんだと思います。
ただ話を聞いてほしかった、その気持ち
「結局は自分が納得できるように進めるしかないこともわかっているのですが、ただ話を聞いて欲しかったのです。」
そう書いていました。
わかります、そういうことってありますよね。
不妊治療のことは、家族や友人に話しても、つい「こうしたら?」ってアドバイスが返ってきてしまうことがあります。
私も治療してた頃、「もっとこうした方がいい」と言われるのが嫌だった時期があります。
できる範囲のことはやってるつもりだったので、なんだかちょっと説教っぽく聞こえたんです。
治療中の人にとって、「もっとこうした方がいい」という提案は、時に責められているように感じることがあるんですよね。
ただ、聞く側に悪気はないことも多いんです。
白状すると、私自身、ピアカウンセラーの勉強を始めたばかりの頃、「何か役に立ちたい」「有益なことを伝えたい」という気持ちが強すぎて、相手の辛い気持ちの中にじっくり一緒にいることができていない、と気づかされたことがあります。
大事な人ほど、何かしてあげたくなる。
でも話した側に残るのは、「そうじゃないんだけどな」の気持ち。
だから、話しても「わかってもらえなかった」と感じた経験があっても、それはあなたの話し方のせいじゃないと思うんです。
「ただ聞いてほしい」と「何かしてあげたい」が、すれ違っただけ。
そのまま誰にも話せなくなってしまうのが、いちばんしんどい形だと思います。
重い決断を、ひとりで抱え込むということ
質問者さんは、休職までして、たった1回の体外受精に臨もうとしています。
もしだめだったら、残りの回数をどう使うか。
凍結卵を手放して転院するのか、大金をかけて採卵からやり直すのか。
家のことがあって、無制限にお金を使えるわけでもない。
簡単に決められる話じゃないです。
決めきれないのは、それだけの重さがある決断だからだと思います。
私も治療してた頃、一人で頑張っている感覚がずっとあったんですよね。
誰かに強制されているわけじゃないけど、自分一人で決断して、自分一人で進んでいく感じ。
それってすごく孤独なんです。
その状態で、周りの友達がみんな先に出産していく。
「私だけ取り残されているようです」って、書いてありました。
私にも、覚えがあります。
先に妊娠した友達に、会いたいのに、会うと辛かった。
嫌な感情を向けたくないのに、会ったあとの帰り道でいつも泣いていました。
友達がみんな出産していったからって、あなたが取り残されたわけじゃないです。
それでも、そう感じてしまうくらい、今の状況がしんどいんだと思います。
話を聞いてもらうだけでも、意味がある
「話を聞いてもらうだけ」だと思うかもしれないですが、心を整える時間として、ほんまにやってみる価値はあると思います。
1人で向き合い続けるのも大事だけど、やっぱり限界があるから。
実は私自身、初めてピアカウンセリングを受けた時のことをよく覚えています。
自分の気持ちだけを気にして、なんでも話してもいいという非日常体験。
その中で、自分でも理解しきれてなかった自分の本当の気持ちみたいなものに触れることができた気がして、すごくすっきりしたんです。
私の決断は間違ってない、これでいいんだ、このまま進もうと強く思いました。
アドバイスをもらったから、じゃないんです。
話しているうちに、自分の中の答えの方が形になっていきました。
もっと早くにカウンセリングを利用していれば、あんなどん底な気持ちを味わうことはなかったのかもしれないと、後悔することもあります。
今は聞く側になって、思うことがあります。
カウンセラーと話すんじゃなくて、カウンセラーと話すことで、自分自身と対話してもらう。
ピアカウンセラーって、きっと仲介役なんだろうなと。
結局は自分が納得できるように進めるしかない。
それは、質問者さんが書いていた通りです。
ただ、「納得」って、ひとりで唸っていても案外出てこなくて。
誰かに話しているうちに、自分の本当の気持ちに気づくことがあります。
私がそうでした。

わかっているからこそ、誰かに話してみることも、納得して進むための1歩になります。
まとめ
アドバイスや解決策がもらえなかったとしても、自分の気持ちを話すことに意味があります。
重い決断をひとりで抱えていること自体が、もう十分頑張っている証拠です。
このメッセージを送ったことも、納得して進むための1歩だったと私は思っています。
ひとりで抱えきれない時は、私にお話してみませんか?
私自身も5年半の妊活・不妊治療を経験してきました。
今は不妊ピアカウンセラーとして、たくさんの方からお話を伺っています。
私の体験や考えなども、ご希望されたらお話できます。
アドバイスを押し付ける時間ではありません。
治療方針を決めたり、妊娠する方法を教えたりする時間でもありません。
今あなたが感じていることを、一緒に言葉にして整理していく時間です。
「相談するほどのことじゃないかも」と思っている方ほど、話すと少し整理されることがあります。
整理されると、自分の本当の気持ちや、次何をしたらいいのかが見えてくるときもあります。
- 体外受精を繰り返していて、次にどうするかひとりで決めきれずにいる方
- 保険適用の残り回数が気になって、誰にも言えずにいる方
- 周りが先に妊娠・出産していく中で、自分の気持ちの置き場所がない方
話す内容がまとまっていなくても大丈夫です。今の気持ちをそのまま持ってきてください。
一緒に整理しましょう。
まだ誰かに相談するほどではないけれど、この気持ちをひとりで抱え続けるのはしんどい。
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ひとりで抱えて気持ちがいっぱいになったときに、自分を責める前に読めるような内容です。
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