不妊治療中に考えた「普通の幸せ」とは

うにめも

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こんにちは、小森うにです。
私は5年半の妊活・不妊治療を経験し、現在はエッセイ漫画家・不妊ピアカウンセラーとして、不妊治療中のしんどい気持ちや、治療の迷い、これからの人生について発信しています。

この記事では、不妊治療中に「子どもがいない人生になったらどうしよう」「普通の幸せから外れてしまうんじゃないか」と怖くなっている方に向けて、2020年に私が書いたブログを読み返しながら、普通の幸せと自分の幸せについて考えてみます。

先に、いちばん伝えたいことを書きます。

子どもがいない未来が怖かったのは、子どもが欲しかったからだけじゃなく、「普通の幸せ」以外の幸せを、自分で作れると思えなかったからかもしれない。

これは、子どもがいる今の私が「子どもがいなくても幸せだよ」と言いたい記事ではありません。

2020年、まだ治療中で、子どもがいない未来が本気で怖かった頃の自分が書いた記事を、今読み返しながら書いています。

不妊治療中、子どもがいない人生が怖かった

2020年12月に、私はこんな記事を書いていました。

子どもがいない=不幸?普通の人生ってなんだろう。

当時の私は、不妊治療4年目。治療にかかったお金も大きくなっていて、身体もしんどくて、心もだいぶ疲れていました。

その中でふと、思ったんです。

なんでこんなに子どもが欲しいんだろう。
子どもがいない人生は、普通ではないのか。
不幸なことなのか。

今読み返すと、この問いってかなり大きいです。

でも当時は、そんなに整った問いとして考えていたわけではなくて、もっとぐちゃっとしていました。

人生失敗した感じ。
レールから外れたら、もう戻れない感じ。
将来がずっと暗いままになる感じ。

一般的な幸せをなぞらない、その他の幸せが想像できなかったんです。

そうしている人がいるのは分かっていたけど、自分にできるわけがないと思っていました。

「普通の幸せ」から外れることが怖かった

昔の私が考えていた普通の人生は、かなり分かりやすいものでした。

学校を出て、就職して、結婚して、子どもを育てて、家を建てて、老後はゆっくり配偶者と趣味を楽しんで、孫の世話を少しして、家族に看取られる。

人生ゲームみたいなルートです。

私の中では、そこを進めたら勝ち。
どこかで大きく外れたら、負け。

そんな感覚があったんだと思います。

うに
うに

普通の人生って、そもそも誰が決めたん?

今ならそうツッコめます。

でも、治療中の私はそこまで軽く言えませんでした。

普通から外れることが、ほんまに怖かったです。

子どもが欲しい気持ちと、普通に戻りたい気持ち

子どもが欲しい気持ちには、本能的なものもあったと思います。

これは、あまり無理に分解しすぎなくていい気もしています。

子どもが欲しい。
子育てをしてみたい。
子どもがいる暮らしを経験してみたい。

その願いは、そのままでいい。

ただ私の場合、そこに「普通の人生に戻りたい」も混ざっていました。

子どもができたら、普通ルートに戻れる。
子どもができたら、人生失敗じゃなくなる。
子どもができたら、将来が明るくなる。

そんなふうに、子どもに幸せを任せすぎていたんだと思います。

子どもを望む気持ちと、「普通の人生に戻りたい」という不安は、少し分けて見てもいいのかもしれません。

子どもがいても、いなくても、幸せは確定しない

2020年の記事で、私は仕事で出会った高齢の方の話を書いていました。

子どもができず、ずっと寂しさを抱えていたAさん。
子どもはできなかったけれど、友人との旅行や新しいスマホの勉強を楽しんでいたBさん。
結婚歴がなく子どももいないけれど、人に囲まれていたCさん。
子どもはいたけれど、家族と疎遠になっていたDさん。

その中で、今でも忘れられない言葉があります。

子どもはすごく欲しかったけど、できなかったこの人生もすごく楽しかった。

この言葉、治療中の私にはかなり大きかったです。

「子どもがいなくても幸せだよ」と軽く言われたら、たぶん反発していたと思います。

でもこの方は、子どもが欲しかった気持ちを消していませんでした。

欲しい気持ちは、ちゃんとあった。
でも、できなかったこの人生も楽しかった。

その両方が一緒にある言葉だったから、心に残ったんだと思います。

子どもがいる人も、幸せ確定ではない。
子どもがいない人も、不幸確定ではない。

そんな当たり前のことが、治療中は本当に見えにくくなっていました。

「幸せは自分の心が決める」の意味が少し分かった

昔は、「幸せは自分の心が決める」みたいな言葉を聞くと、きれいごとっぽく感じていました。

いやいや、現実がしんどいんですけど。
心だけでどうにかなるなら苦労せんわ。

そんな感じです。

でも、不妊治療をしながら子どもがいない未来を考えて、子どもがいる人の人生も見て、子どもがいない人の人生も見て、少しずつ意味が変わってきました。

子どもがいたら幸せ確定なのか。
子どもがいなかったら不幸確定なのか。

たぶん、そうではない。

どんな立場になっても、その場所で自分の幸せを作っていくしかないんだろうなと、少しずつ思うようになりました。

根性論とか、きれいごとではなくて。

子どもに幸せを全部任せない。
治療結果に、自分の人生を全部預けない。

そういう意味で、「幸せは自分の心が決める」という言葉が、やっと少しだけ分かった気がしました。

不妊治療は、自分の幸せを考えざるを得ない出来事だった

ここからは、今だから思うことです。

治療でどん底にいる時に言われたら、たぶん腹が立つはずです。

でも、不妊治療って、人生の比較的若い段階で「自分の幸せってなんなんだろう」と考えざるを得ない、かなり珍しい出来事やなと今は感じています。

よく聞くのが、「子どもを育てないと分からないことがある」とか、「子育ては自分を成長させてくれる」という言葉です。

もちろん、子育てで初めて分かることはあると思います。

でもそれって、子どもそのものが魔法みたいに人を成長させるというより、その人にとって初めて「自分はどう生きたいのか」「何を大事にしたいのか」を考える機会だった、という面もあるんじゃないかなと思うんです。

不妊治療は、その問いが子どもを産む前に来ることがある。

授かるとしても、授かる前にその問いを通っている。
授からなかったとしても、その問いは今後の人生に残る。

不妊治療は、めちゃくちゃしんどかったです。
経験しなくていいなら、したくなかったと当時は思っていました。

今も、誰かに「経験した方がいい」とは思いません。

それでも、この経験がなかったら今の私はいない。
私は治療前の私より、今の私が大好きです。
この私に出会えなかったと思うと、ぞっとするくらい。

子どもを産むことだけが、子どもに関わることではないかもしれない

治療をやめることも考えていた頃、私は「産む」以外で子どもに関わる方法も少し考えていました。

姪っ子をかわいがること。
税金を払うこと。
街で親子に少し気を使ってみること。

そんなことも、広い意味では子育てに関わることなのかもしれないなと考えていました。

もちろん、これで「だから産めなくても大丈夫」と言いたいわけではありません。

子どもが欲しい気持ちは、そんなに簡単に別の形で埋まるものではないです。

ただ、人間って、自分で産めなくても子どもに関わる道が完全にゼロになるわけではないのかもしれない。

そう考えた時、少しだけ「産めなかったら全部終わり」ではないのかも、と思えました。

普通の幸せは、自分の幸せなんだろうか

人生って、後悔し続けようと思えばいくらでもできます。

あの時こうしていたら。
もし別の人生だったら。
もし子どもがいたら。
もし子どもがいなかったら。

考え出したら、たぶん一生できます。

でも、80代のBさんの言葉を思い出すたびに、私はこういう人になりたいなと思います。

「それも良かっただろうけど、今も良かったな」と思える人。

子どもが欲しかった気持ちをなかったことにせず、でも、今の人生も大切にできる人。

最後に、問いだけ置いておきます。

自分の思う普通の幸せってなんなんだろう。
普通の幸せは、自分の幸せなんだろうか。
自分の幸せってなんなんだろうか。

今すぐ答えが出なくてもいいと思います。

でも、不妊治療でここまで揺さぶられたからこそ、一度考えてみてもいい問いなんじゃないかなと思います。

不妊治療中の幸せやこれからを、ひとりで考えきれない時に

子どもがいない未来を考えるのが怖い。
普通の人生から外れたように感じる。
自分の幸せが何なのか、分からなくなっている。

そんな気持ちを、ひとりで抱えていませんか。

不妊ピアカウンセリングは、不妊治療中の気持ちを、不妊治療経験者と一緒に言葉にして整理していく時間です。

私は5年半の妊活・不妊治療を経験し、現在は不妊ピアカウンセラーとしてお話を伺っています。
必要であれば、私自身の体験や考えをお話しすることもできます。

アドバイスを押し付ける時間ではありません。
治療方針を決めたり、妊娠する方法を教えたりする時間でもありません。

「本当は何が怖いのか」「どんな未来が嫌なのか」「自分にとっての幸せって何なのか」を、一緒に言葉にしていく時間です。

メニューは、Zoom相談60分4,000円、メール/LINE相談3通3,000円です。
話す内容がまとまっていなくても大丈夫です。

たとえば、こんな時に使ってください。

子どもがいない未来を考えると、胸がぎゅっとなる時。
治療を続けるか、休むか、やめるかを考えるだけで苦しくなる時。
周りの普通と比べて、自分の人生が分からなくなっている時。

今の気持ちを、そのまま持ってきてください。

ひとりで抱えこまないで、一緒に整理しましょう。

まだ誰かに相談するほどではないけれど、この気持ちをひとりで抱え続けるのはしんどい。

そんな方に向けて、公式LINEでは「不妊治療中の気持ちを少し整理するお手紙」をお届けしています。

焦りや劣等感が出てきたときに、自分を責める前に読めるような内容です。

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必要なときに、来れる場所として使ってもらえたらうれしいです。

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