こんにちは。
このブログでは、5年半の妊活・不妊治療を経験した「うに」が、体験談や考えたことをお話ししています。
自身の体験談の漫画も描いています→漫画一覧
「妊娠出産はゴールじゃない」
この言葉を、言われたことはありますか?SNSやネットで目にしたことは?
一見すると、育児の大変さを前もって伝える優しさのように感じられるこの言葉。
しかし、5年半にわたる長い不妊治療を経験した私には、どこか心に引っかかる違和感がありました。
毎日の注射、数えきれない病院通い、何度も繰り返された希望と絶望…それら全てを経験してきた私たちにとって、妊娠は本当にただの通過点なのでしょうか?
今日は、5年半の不妊治療を経験した私が、この言葉の意味を掘り下げてみます。
\この記事は、こんな方におすすめ/
- 現在妊活や不妊治療中で、日々の努力にときに疲れを感じている方
- 「妊娠出産はゴールじゃない」という言葉に何となく違和感を覚えたことがある方
- 人それぞれの「ゴール」や価値観の多様性について考えたい方
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「妊娠出産はゴールじゃない」という言葉に違和感を覚えた理由
「妊娠出産はゴールじゃない」
私はこの言葉を、ネットやSNSでよく見かけます。
この言葉は、不妊治療中の人に対して、妊娠出産をゴールにしてしまうと、その後の育児などで思っていたのと違う感じになるから、「妊娠・出産は通過点ですよ」という意味で使われることが多いように思います。
しかし正直に言うと、私はこの言葉を聞くとなんだか違和感を覚えます。
なんというか、叱られているような、自分の治療の経験が軽んじられているような気持ちになってしまうんです。
確かに妊娠中は大変ですし、子育ては長い道のりです。
でも、不妊治療を経験した人にとって、その言葉の重みは少し違って感じられるような気がします。
不妊治療中の努力の積み重ね
不妊治療の過程では本当にたくさんの目標と、それに向けての努力があると思います。
私の場合では、最初は卵が全然採れなかった時期がありました。
それが少しでも採れるようになったときには、それだけでも一つの達成感、ゴール感がありました。
さらに私の卵はなかなか育たなかったので、移植できるところまで育ったら、それもまた一つの大きなゴールでした。
さらに、いくら移植しても陰性続きだったので、はじめて着床した日にはそれはもう感動の瞬間でした。
こういった一つひとつの壁を乗り越えていくための努力の過程があって、その積み重ねがあるからこそ、妊娠という一つの大きな区切りをゴールと感じることはとても自然なことだと、私は考えます。
私は、最後と決めた移植をしたとき、「私の治療はこれで終わったんだな」とはっきり感じました。
あの瞬間は間違いなく、私にとっての一つのゴールでした。
妊活からの卒業
そしてさらに言うと、私は、妊娠だけでなく、不妊治療を含めた広い意味での「妊活からの卒業」こそが、一つの大きなゴールなのではないかと考えています。
それが妊娠という形での卒業であれ、子どもがいない人生を選択するという形の卒業であれ、他の形での子育てという形の卒業であれ……
どれにしても「妊活終了」という一つの大きな区切りがあると思います。
長い時間をかけて取り組んできた妊活に終止符を打つという意味では、明らかにそれはゴールです。
そこからまた、それぞれの新たなスタートが始まります。
妊娠した人は妊娠生活のスタート、子どもを持たない選択をした人は、新たな人生設計を考え直していくスタート、他の形で子育てを始める方はそのスタート。
でも、そのスタートに立つためには、まず妊活というステージを終えるというゴールがあるはずです。
あなたの感じ方が一番大切
私は、「妊娠出産はゴールじゃない」という言葉を聞くと、なんだか自分の治療の経験が軽んじられているような、「育児の方が大変なんだから」と言われているような気分になってしまいます。
もちろん、この考え方で前向きな気持ちになれる人もいるでしょう。感じ方は人それぞれです。
しかし、不妊治療に取り組んできた人にとっては、半年から数年、時には10年以上という長い時間を費やしてきたわけです。
なので、どうしても「一旦ここでゴールとさせてくれよ~!」と思っちゃいます。そこをゴールと感じることを否定されるのは、少し寂しい気持ちになります。
私が言いたいのは、それぞれの人が自分の経験や感じ方を大切にしていいということです。
例え誰かに、「妊娠出産はゴールじゃない」と言われても、「いや、私にとってはこれは一つのゴールだから」と思っていいと思います。
そして、これから妊活や不妊治療を続けている方には、小さな目標を立てながら、自分のペースで進んでいってほしいと思います。そして、その過程で感じる一つひとつの達成感や区切りを、大切にしてほしいです。
最後に
5年半の不妊治療を経験して、私は「妊娠出産はゴールじゃない」という言葉に、自分自身の経験が軽んじられているような違和感を覚えました。
でも、この記事で伝えたかったのは、決して誰かを批判することではなく、それぞれの経験や感じ方を尊重することの大切さです。
不妊治療中の努力の積み重ね、そして「妊活からの卒業」という区切りは、私たちにとって立派なゴールです。
あなたの感じるゴールは、誰かの言葉で否定されることはないです。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
このブログでは、私の5年半の不妊治療体験やそこから気付いたことなどをシェアしています。
みなさんの「自分」を見つめる時間になれば嬉しいです。
今日もぼちぼちいきましょうね。
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