子どもを授かった不妊治療経験者がピアカウンセラーを目指す理由

Voicy

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先日、不妊ピアカウンセラーを目指すことについての投稿をVoicyでしたところ、一つのコメントをいただきました。

「不妊治療、流産、死産経験、まだ子なしの者です。カウンセラーは選べるから、私なら、子持ちの治療成功者のカウンセラーには相談したくない。

ピアって同じ立場、仲間って事だから、ママになっても、そこまでに寄り添って共感できるのか…。」

というコメントでした。

 

この記事では、私の不妊ピアカウンセラーに対する思い、考え、経験などをお話します。

 

この投稿は、音声でも聞くことができます。

 

きっかけとなったコメント

最近、ピアカウンセラーを目指すことについての投稿をしたところ、一つのコメントをいただきました。

「不妊治療、流産、死産経験、まだ子なしの者です。
カウンセラーは選べるから、私なら、子持ちの治療成功者のカウンセラーには相談したくないかな。

以前、子供なく治療終了したカウンセラーの方とは話ましたが、これから子なしの人生が待ってるかもしれないのに、ママになれた人にわかるのかな?と思ってしまう。
特に死産に関しては、天使ママじゃないとわからないなと思う。

ピアって同じ立場、仲間って事だから、ママになっても、そこまでに寄り添って共感できるのか…厳しい事言ってすみません。」

というものでした。

 

このコメントを見て、正直うっ・・・とはなりました。
自分が今がんばっていることを否定されているわけですから、当然だと思います。

でも、そこまで深いショックではなかった。
なぜかというと、子どもを授かってから約3年間、ずっと自分自身に問いかけてきた質問だったから。

 

私の治療中の思い

私は治療中、ブログにこんなことを書いていました。

「一人目不妊治療に成功した人はもう本当の意味で一人目不妊治療中の人の気持ちはわからないと思っている。
その人たちにとって治療は「子どもに会うために必要だった過程」になってるはずだから」

「不妊治療をサポートしている人、メンタルケアや体質改善などのサポートをしている人って、子どもがいる人が多い気がする。それは何でだろうって考えた時に、きっと不妊治療が「成功体験」になっているからじゃないかと思った。」

「私は多分子どもを授かることはないだろう。
でも、だからこそ、最後の移植が終わったら、私は治療中の人をサポートできる人になりたい。子どもがいなくても、自分で幸せになれるよっていうのを背中で見せながら自分らしい幸せを応援していきたい」

だから、今回コメントをくださった方の気持ちに近いことを感じていたのだと思います。

 

子どもを授かった時の複雑な気持ち

なので、私は妊娠した時、すごく複雑な気持ちになりました。

1回目の妊娠はすぐに流産してしまって。2回目の時も、もしかしたらまた流産かもしれないって思っていました。でも思ったより順調に進んで、安定期を超えられそうだって分かった時、すごく悩みました。

子どもを授からずに終了して、今後は不妊治療経験のある発信者として、ロールモデルの一つというか、子どもがいない人生は「怖くないよ」「幸せだよ」って見せていきたいって思っていました。かなり真剣に。
それが私が治療した意味なのかもしれないと思っていました。でも、それができなくなる。

私にとって、数年間の発信は、子どもを授かるために治療をしてきたのと同じぐらいの情熱があったんです。
治療している人の力になりたいという気持ちもすごく大きかった。

 

だから、子どもがいる自分には、もう治療している人の気持ちを分かることはできないのかもしれないって思った時は、本当にショックでした。

何度も泣きました。すごく悩みました。この3年弱、発信を続けながらもずっと悩んできました。

私なんかが、って。

 

ピアカウンセラー研修を通じて

でも先々週、ピアカウンセラーの研修に行って、改めてじっくり考える機会があり、新しい気づきがありました。

私だからって来てくれる人の話に答えられたらいいんじゃないかって、シンプルに思ったんです。

私が子どもを産んでいる産んでいないに関係なく、こういう私の考えとか、そういうの全部発信しているから、それを見た上で「この人に話してみたい」と思ってくれる人がいるなら、その人に答えられる人間になれるように、技術を磨くことが大切なんじゃないかって。

 

私自身のカウンセリング経験

私も実は、治療中にピアカウンセリングを受けようと思って探していた時、すごく迷いました。

カウンセラーのプロフィールを見ても、子どもがいるかいないか、治療歴だけじゃ、どんな人か分からない。決め手に欠けるというか。

そんな中で出会ったのがピアカウンセラーの松本さんでした。

Instagram

お子さんが生まれてらっしゃって、育児もされていることも発信されていました。
最初は正直、お母さんになっている人は嫌だなって思っていたんです。

でも、松本さんの発信を見ているうちに、「この人なら、私を傷つけることはないだろう」って思えるようになりました。
そして、実際にカウンセリングを受けてみて、子どもがいる人とこんなに素直に話せる自分に驚きました。

それは、松本さんがカウンセリングの技術をしっかり持っていたからだと思います。
でも、それだけじゃなくて、私が発信を見て、この人を好きになれた、信頼できると思えたからこそ素直に話せたんだと思います。

 

私が考えた、「ピア」の意味

「ピア」っていうのは、確かに「仲間」という意味です。

でも私は、ピアカウンセラーの「ピア」は、カウンセリングを受ける人のハードルを下げるための入り口にしかすぎないんじゃないかって、最近思い始めました。

「ピアカウンセラーだからわかる」じゃなくて、「ピアカウンセラーだから話せるかも」ってだけのものかもしれないと。

だから、私に子どもがいることで、死産を経験していないことで話せないと思うなら、それでいい。
子どものいないピアカウンセラーも死産を経験されているピアカウンセラーもいる。

大切なのは、その人と話せるかどうか。自分の心を晒せるかどうか。

ピアカウンセラーってきっと、その人の鏡の役割にならないといけないんだと思います。
カウンセラーと話すんじゃなくて、カウンセラーと話すことで自分自身と対話してもらう。
きっと仲介役みたいなものなんだろうなと、最近考えました。

その鏡の役割をするために必要なのが「共感」の技術。
だから、ピアカウンセラーは共感の技術を持った、不妊治療体験者なんだと。
昔の私が思っていた「共感」は、共感ではなくきっと、「(私の経験から)わかる」でしかなかったんだと。

だから私は、共感の技術を身に着けたい。私と話したいと思ってくれた人の話を、しっかり聞けるようになりたい。
自分と向き合う1手段として選んでもらえるなら、全力で答えたい。

このコメントを見て、改めてそう思いました。

 

情報との向き合い方

そして、もう一つ大切なお話をさせてください。

私たち不妊治療中の人は、たくさんの情報に触れます。
SNSで似たような経験をしている人を探したり、ブログを読んだり。
でも時には、その情報量の多さに心が疲れることもあると思います。

私自身、治療中はSNSでの情報収集に助けられた一方で、時には情報量に疲れることもありました。
正直、見たらきっと落ち込むって分かってても、つい見てしまうような投稿もありました。

でも今思えば、辛くなる情報は見ない、関わらない、そういう選択をする勇気も必要だったなと思います。

みんなが良いって言ってるから、いいねが多いから、フォロワーが多いから、よく見かけるから…が自分にとって良い情報ってわけではない。

 

だから今、発信する側の願いとしては、私の投稿を見て、良いなって感じる人にみてもらいたい。
関わってもらいたい。私は誰かを嫌な気持ちにさせるためには発信してないんです。

 

私は今後も子どもを授かった不妊治療経験者・ピアカウンセラーとして活動を続けていきます。
その発信を見るか見ないかは、それぞれの方の自由な選択です。
でも、自分の心が落ち着く選択をして欲しいなとは思います。

 

最後に

今はまだ勉強中です。3月の認定試験まで、もう少し。

私の考えは、甘いと思われる方もいると思う。「お花畑」だって。
それでも、私にできる役割があると信じています。

まずは、私に話を聞いてほしいと思ってくれた方の話を、しっかり聞ける技術を身に着けること。
そして、最終目標は、不妊治療中の方が、自分の心と向き合える環境づくりに貢献することです。

だからこそ、資格取得はゴールではなく、むしろスタート地点。
これからも学び続け、一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。

改めて自分の考えを整理するきっかけをくださった、コメント投稿者さんに感謝いたします。

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