2人目不妊、治療をやめる決断は一度では終わらない

2人目不妊、治療をやめると決めても心は揺れる お悩み相談

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こんにちは、小森うにです。
私は5年半にわたる妊活・不妊治療を経験し、現在はエッセイ漫画家・不妊ピアカウンセラーとして、不妊治療中のしんどい気持ちや、仕事・人間関係・治療の迷いについて発信しています。

「2人目の治療は、もう卒業しようかな」
「ひとりっ子もいいかもしれない」

そこまで気持ちを整えてきたのに、身近な人の妊娠報告を聞いた瞬間、また心がざわついてしまう。
決めたはずなのに、どうして。いつまで私はこんなに揺れるんだろう。そう思うと、自分にまで疲れてしまいますよね。

先に、いちばん伝えたいことを書きます。

治療をやめる決断は、一回で終わるものではないと私は思います。
決めたあとに揺れたからといって、あの時に考えたことが嘘になるわけではありません。

今も2人目がほしいと思ったからといって、また最初から振り出しに戻ったわけでもありません。

今日は、2人目の治療を卒業しようと思っていた時に、身近な方の妊娠報告で心が揺れた方からのメッセージにお返事します。

いただいたメッセージ

質問者さん

うにさんこんばんわ。

2人目の治療を卒業しようかなって折り合いがつけられたような気がしてたのに、予想だにしないことが起きました。

それは、保育園ママさんの妊娠報告です。

お子さんが1人で充実した生活を過ごしているように見えて「1点豪華主義もいいかな」とひとりっ子もいいかなって前向きに受け止めていらっしゃったんです。ところが最近会わないなあと思ったら、2人目のご懐妊されていて。私に取って「1点豪華主義」っていう育児に向けるスタンスが共有できて嬉しかったので、お守りみたいな言葉だったんです。

だけど、またこんなにも身近な人の妊娠で心がざわついてしまう。そんな自分にうんざりしています。

もしかしたら、ママさんも2人目を授かるのに苦労もあったかもしれないのに。でもやっぱりなんて言葉を返したら良いかわからなくて、絞り出すようにおめでとうを伝えました。

どんどんひとりっ子の肩身が狭くなって周囲と会話が噛み合わなくなっていく孤独がつらいです。その度に気持ちが揺れて揺れて、もう体力もきついのでやったことない人工授精をしてみて、少しずつ現実を受け止められたらなって思います。

メッセージをありがとうございます。
まず、心がざわつく中で、絞り出すように「おめでとう」を伝えたんですよね。

それだけでも、十分だったと思います。

今回は「ただの妊娠報告」ではなかった

今回、質問者さんの心を大きく揺らしたのは、相手が妊娠したという事実だけではなかったんだと思います。

そのママさんが話していた「1点豪華主義」という言葉は、質問者さんにとって、ひとりっ子の未来を前向きに考えるための「お守り」でした。

子どもが一人でも、こんなふうに充実した生活を過ごせるのかもしれない。
同じようなスタンスで子育てをしている人が、身近にいる。
そう思えることが、治療を卒業する方向へ気持ちを整える支えになっていたんですよね。

だから、その方の2人目の妊娠を知った時、ひとつの妊娠報告以上のものが動いてしまったのだと思います。
これからの自分を支えてくれると思っていた言葉や、思い描きかけていた未来まで、急に頼れなくなったように感じたのかもしれません。

もちろん、そのママさんにも、質問者さんからは見えない時間や事情があったかもしれません。

でも、その方にも何か事情があったかもしれないことと、質問者さんの心がざわついたことは、別の話です。

相手を責めなくても、自分はつらい。
相手のことを想像できても、自分の気持ちまですぐ静かになるわけではありません。

私も治療中、身近な人ほど自分と比べやすく、妊娠報告を聞いたあとに気持ちが大きく揺れたことがありました。
相手の妊娠と自分の不妊は別のことだと頭ではわかっていても、心はそんなにきれいに分けてくれませんでした。

質問者さんが、今回すぐに言葉を返せなかったのは無理もないことだと思います。
それでも、ざわつきの中で「おめでとう」を伝えた。そのことまで、なかったことにしなくて大丈夫です。

2人目不妊の治療をやめる決断は、一度では終わらない

治療を卒業しようと折り合いをつけたのに、また気持ちが揺れた。
そうなると、「私は結局、何も決められていなかったのかな」と感じてしまうかもしれません。

でも、治療をやめる決断は、何か一つの出来事を境に、心まで完全に切り替わるものではないと私は思います。
私も不妊治療中、いつまで治療を続けるのかを何度も考えました。

費用や年齢、治療の回数。心がどこまで耐えられるかも含めて、自分なりの基準を書き出し、「ここまでにしよう」と考えた時期もあります。
それでも、実際にその時が近づくと、気持ちはまた変わりました。結果が出てからでないと、その時の自分が何を感じるのかはわからない。そう思ったこともあります。

長い間、そのためにがんばってきたのだから、そんなにすぐに気持ちを切り替えられなくて当たり前なんですよね。
私は、ブログを書いたり、漫画を書いたりしながら、自分の気持ちを何度も棚卸ししました。

「もう十分かもしれない」と思う日があって、また「やっぱりほしい」と思う日がある。
大きく揺れたあとに少し落ち着き、しばらくしてまたざわつく。そうやって、少しずつ考えていきました。

やめると決めたことと、そのあとも揺れることは、矛盾ではありません。

あの時の自分は、あの時に持っていた体力や気持ちの中で、ちゃんと考えていた。
今の自分は、新しく起きたことを受けて、また考えている。

決めたあとに揺れたからといって、前に進んできた時間まで消えるわけではないです。

「ひとりっ子もいい」と「2人目がほしい」は同時にあっていい

質問者さんの中には、「ひとりっ子もいいかな」と前向きに受け止めようとする気持ちがあります。
そして同時に、2人目がほしい気持ちも残っているのだと思います。

私は、この二つを無理に一つに決めなくていいと思っています。

「ひとりっ子もいい」と思えたからといって、その瞬間から2人目を望む気持ちが消えるわけではありません。
反対に、また2人目がほしいと思ったからといって、ひとりっ子の未来を前向きに考えた時間が無意味になるわけでもありません。

どちらも、その時々の質問者さんの本当の気持ちです。

ひとりっ子の肩身が狭くなり、周囲と会話が噛み合わなくなっていくように感じる孤独。
同じスタンスを共有できる人がいると思えた安心。
そして、もう一人を望む気持ち。

今回のざわつきには、いくつもの気持ちが重なっているように、私は感じました。

だから、「こんなに揺れたということは、やっぱり治療を続けるしかない」と、一つの答えに急いでまとめなくても大丈夫です。
まずは、自分の中に二つの気持ちがあることを、そのまま置いておいていい。決めきれないまま置いておく時間も、気持ちを整理していく途中にあると思います。

気持ちの整理は「もう揺れない自分」になることではない

気持ちを整理するというと、妊娠報告を聞いても何も思わなくなることや、もう二度と治療に迷わなくなることを想像するかもしれません。

でも私は、揺れを全部なくすことが、整理ではないと思っています。

今回のように心がざわついた時は、「ざわつかないようにしなきゃ」と押さえ込むより、何がつらかったのかを少しずつ分けてみるほうが、自分の気持ちを見つけやすくなります。

2人目がほしい気持ちが動いたのか。
「1点豪華主義」というお守りを失ったようで、心細くなったのか。
それとも、ひとりっ子の親として話せる相手が減り、また会話が噛み合わなくなることが寂しいのか。
どれか一つではなく、全部あるのかもしれません。

ここを分けて考えると、ざわついたことを、そのまま「治療を続けるべき」という一つの結論にしなくて済みます。

私自身、治療を終えることを考えていた頃は、ブログや漫画に自分の気持ちを出しながら、「私は何を怖がっているんだろう」「何をやりきれたら納得できるんだろう」と何度も考えました。

一度考えたら終わりではなく、揺れるたびに、その時の自分の気持ちを見に行く。気持ちの整理は、その繰り返しでした。
つらいな。寂しいな。でも、今の私ならそう感じるよなぁ。まずは、そのくらいの言葉で受け止めていいと思います。

未来の自分が最終的にどう決めるかまで、今の自分が一気に引き受けなくて大丈夫です。

今決めるのは、人生全部ではなく「次の一歩」だけでいい

質問者さんは、もう体力もきつい中で、やったことのない人工授精をしてみようと考えているんですよね。

それは、「治療をずっと続ける」と人生全部を決めることではありません。
今の自分が、次にどうしたいかを考えて選んだ、一つの具体的な一歩です。

一度は卒業しようと思った自分を否定することでもありません。
人工授精をしてみたあとの気持ちや、体のしんどさは、その時の自分にしかわかりません。だから、今の段階で最後の答えまで出そうとしなくていいと思います。

今、何を確かめたくて次の治療を選ぶのか。
心と体を守りながら進められるのは、どこまでか。
また苦しくなった時、どのタイミングで立ち止まって考え直すか。
期限や回数、費用や体力も含めて、自分にとって大事な基準は何か。

このあたりを考えておくと、「続けるか、全部やめるか」の二択ではなく、今の自分が納得できる一歩を選びやすくなります。

その一歩を進んでみて、また揺れたら、そこで選び直していい。

治療を卒業することになった時の気持ちは、その時の自分が考えてくれます。
まだ起きていない未来の痛みまで、今から全部背負わなくて大丈夫です。

今は、自分の努力がおよぶところからで大丈夫。

心が揺れたことを理由に、自分にうんざりしなくていいです。
揺れたから、あの時の決断が間違っていたわけではありません。

質問者さんの心と体を置いていかないように、ぼちぼち、一つずつ考えていきましょうね。

答えが出ないままでも、話しに来てください

2人目の治療を続けるのか、ここで終わりにするのか。

どちらを選んでも、簡単には割り切れない気持ちが残ることがあります。

一度は気持ちを決めたつもりでも、身近な人の妊娠をきっかけに、「やっぱり、もう一人ほしい」という思いが戻ってくることもあります。

そんな時に、無理に答えを出そうとしなくても大丈夫です。

私は5年半の妊活・不妊治療を経験し、現在は不妊ピアカウンセラーとして、治療中の方のお話を聞く活動をしています。

答えを押しつけたり、前向きになることを求めたりする時間ではありません。

今ある迷いや苦しさを、そのまま持ってきてください。

  • 2人目の治療を続けるか、やめるかで気持ちが揺れている方
  • 身近な妊娠報告をきっかけに、決めたはずの気持ちが戻ってきた方
  • ひとりっ子の未来と、もう一人を望む気持ちの間で迷っている方

言葉にしながら、今の自分が何を大切にしたいのかを、一緒にゆっくり整理していきます。

「まだ何も決められない」
「うまく話せるかわからない」
「ただ誰かに聞いてほしい」

そんな状態でも大丈夫です。

ひとりで考え続けることに少し疲れた時は、一度、お話ししてみませんか。

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