こんにちは。
このブログでは、5年半の妊活・不妊治療を経験した「うに」が、体験談や考えたことをお話ししています。
自身の体験談の漫画も描いています→漫画一覧
今回は、不妊治療中によく言われる「諦めたら子供ができる」という言葉について、ストレスが不妊の原因だと言われることについて、私の経験をお話しします。
SNSでよく見かける「諦めたら子供ができる」
SNSを見ていると、この言葉を言われて怒りや心の痛みを感じている人の投稿をよく目にします。
「できないから病院に通っているのに」という声もよく見かけます。
妊娠を望んで病院に通っているのに、「諦めたら」と言われても…。
私も治療していた時、この言葉を何度も言われ、腹が立ったアドバイスの一つでした。
治療初期の葛藤
私の場合、この経験は妊活を始めて徐々に治療のステップを進めていった時期の出来事でした。基礎体温を測ることから始まり、タイミング法を試し、それでも妊娠できずに人工授精へと進み、体外受精の検討を始めようとしていた時期でした。
当時、私はまだ職場で治療のことを話せていませんでした。それは、不妊治療を受けている自分自身をまだ受け入れられていなかったからです。
普通の風邪や骨折とは違い、とてもデリケートで繊細な話題だと感じていました。
恥ずかしいわけではないのですが、どこか話しづらさがありました。それは自分の中に「子供ができるのは当たり前」「当たり前ではない自分…」という思い込みがあったからだと思います。
職場での困難な状況
不妊治療を始めてから、通院の回数が明らかに増えました。
それまでは多くても半年に1回程度だった通院が、月に2~3回になり、ある同僚から何度も「どうしたの?病気?大丈夫?」と聞かれるようになりました。
その度に答えに困り、曖昧な返事でごまかしていました。嘘をつくのが苦手な私は、整合性の取れない説明を重ねることに苦心していました。
飲み会での衝撃的な出来事
ある日の会社の飲み会で、治療中だったため控えめに飲酒していた私に、その同僚が執拗に理由を聞いてきました。
周囲の注目も集まり、ついに「子どもができにくい体質で、病院に通っている」と話さざるを得なくなりました。
すると、医療的な説明を求められ、当時判明していた、AMHの値が低いことや抗リン脂質抗体について説明することになりました。
しかし、相手には理解されず、代わりに「確率の問題だから、何回かやっていれば絶対できる」「子供を作らなければと思い詰めているからできない」「私はお酒を飲んだ勢いで出来た。病院なんて行かなくていい。妊娠ってそういうものだよ。」という言葉が返ってきました。
怒りで手が震えたのははじめての体験でした!
ストレスと不妊の関係について
確かに、ストレスは体に影響を与えます。実際にストレスが原因で妊娠できない方もいるでしょう。しかし、不妊には様々な原因があり、治療を止めることで妊娠の可能性が失われてしまう場合もあります。
私の場合、実は潜在性高プロラクチン血症という、ストレスで妊娠しにくい体質だと分かっていました。でも対処薬を服用しても妊娠には至りませんでした。つまり、原因はストレスだけではなかったんです。
そもそも、妊活を始めた当初は「はやく赤ちゃん欲しいな!」と元気で気楽な気持ちでいた時期があったはずです。その時期に妊娠できなかったからこそ、徐々に不安が募り、ストレスが蓄積していったのです。
この言葉の本質と影響
「諦めたら子供ができる」という言葉を発する人には、おそらく悪意はありません。
- 思い詰めすぎているのが心配
- 気楽な気持ちでいてほしい
- 自身や知人の成功体験を共有したい
といった善意からの言葉なのでしょう。しかし、不妊治療中の人にとっては、この言葉が大きな地雷となることがあります。
これからに向けて
「ストレスが…」「治療をやめれば…」と言われて怒りを感じている方へ伝えたいことがあります。
心に余裕がない時に、自分の常識の範囲外のことを言われて腹が立つのは当然のことです。
私自身、怒りを感じながらも「私のことを思って言ってくれているのに」と自分を責める気持ちもありました。
しかし今、当時の自分に言ってあげたい言葉があります。
「こういう状況でそんなことを言われたら腹が立って当然」「よくその場でキレずに乗り越えられた。大人な対応ができた!」と。
うつ病の人に「頑張れ」と安易に言わないように、不妊治療中の人への「諦めたら子供ができる」「ストレスが原因」という言葉も、控えるべき言葉として認識されることを願っています。
私にできることは限られているかもしれませんが、これからも「ストレスだけが原因ではない」ということを、細々とでも発信し続けていきたいと思っています。
おわりに
このブログでは、5年半の不妊治療を通じて経験したことや気づきを共有しています。
私の体験談は漫画でも読めます。ぜひご覧くださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今日もぼちぼちいきましょう。
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