こんにちは、小森うにです。
私は5年半の妊活・不妊治療を経験し、現在はエッセイ漫画家・不妊ピアカウンセラーとして、不妊治療中のしんどい気持ちや、仕事・人間関係・治療の迷いについて発信しています。
この記事では、不妊治療のタイミング法で、病院から指定された日に夫から「今日は無理」と言われて、ひとりでモヤモヤしている方に向けて、私の経験や考えをお話しします。
先に、いちばん伝えたいことを書きます。
タイミングを取るときに、旦那さんから断られる……。
腹が立って当たり前です。
でも、旦那さんがその時なにを考えていたのかは、聞いてみないとわかりません。
私は何年も経ってから聞いて、自分の想像がぜんぶ外れていたことを知りました。
いただいたメッセージ
流産のあと、またタイミング法に戻ったという方から、こんなメッセージが届いています。

タイミング法をとって半年くらい経って妊娠したのですが心拍が確認できずそのまま流産になってしまいました。悲しくてその日は1日泣きました。夫にも話して慰めてもらいました。
気持ちを切り替えてまたタイミング法をとっていますがまだ陽性もでず。今日産婦人科に卵胞チェックに行き排卵しているかもとのこと。
今日タイミングとってみてと言われて夫に相談しましたが、飲み会の後と仕事の忙しさで無理とのこと。
実は前日にも相談したけれど仕事が忙しくて疲れたと。
排卵誘発剤を使っていますが卵胞の育ちがゆっくりなので1回の排卵が貴重なタイミングなのにと1人でイライラ?モヤモヤ?しています。
夫は妊活妊活とうるさい人としか思ってないのでしょうか?誰にも言えずここに書いてしまいました。
誰にも言えなくて、ここに書いたそうです。
そりゃ腹立つよ。当たり前です
排卵誘発剤を使っていても卵胞の育ちがゆっくりで、1回の排卵がほんとに貴重。
そこまで来るのに、体の準備も心の準備もすごく必要でしたよね。
やっと今日だ、ってなったところに「飲み会の後だから」「仕事が忙しいから」で流される。
そりゃ腹立つよ!当たり前!
私もそれで何度泣いたか。
あなたの怒りは当然です。
まずそこだけは、大前提として置いておきたいです。
1ヶ月かけて準備してるのは、こっちだけなんじゃないか
私がタイミング法をしていた時、いちばんしんどかったのは、まさにここでした。
妻の方は、仕事の都合をつけて、プライベートの予定も調整して、体温も毎日測って、サプリも毎日飲んで。
タイミングの日を目指して、1ヶ月ずっと準備してきているんです。
それなのに、夫の方は「この日だから」ってリマインドしたら、ちょっとうんざりしてる。
1ヶ月の努力を水の泡にさせてたまるかと。
私はさらに、せっかくだから確率を上げたくて、病院から指定された日の前後もタイミングを取っておこうと思って誘っていました。
そしたら2日連続は厳しいと言われたり、約束していてもしんどいから今日は無理と断られたり。
確率あげたくないの!!!?てまたムキーっとなる私。
確率を上げたい私と、疲れているから休みたい夫。
それを私は、温度差だと感じていました。
温度差を感じて悲しくなって泣いている私と、疲れているのに必死に応じようとがんばる夫。
幸せなコミュニケーションだったはずの行為が、すごく辛いものになってしまいました。
正直、地獄の期間でした。
頼れるはずのパートナーが頼れなくなるのは、つらいです。
「妊活うるさい人と思われてる?」を、8年後に夫に聞いてみた
質問のいちばん芯にあるのは、たぶんここだと思いました。
「夫は私を、妊活妊活うるさい人としか思ってないのかな」というところ。
正直、わからないです。
思ってるかもしれないし、思ってないかもしれない。
私の話をすると、うちの夫も当時、すごく似た感じでした。
はっきり「嫌だ」と拒否されたわけじゃない。
ただ「疲れてる」「今日はちょっと難しいかも」って、私よりは熱量ないなあ、というのはずっと感じていて。
うちがタイミング法をしていたのはもう8年くらい前の話なので、この前あらためて「あの頃どうだったん」って聞いてみたんです。
そしたら、こう言うんです。

ほんまに仕事で頭がいっぱいで、妊活のことまで頭が回らんかった。
うるさい人とか、そういうレベルですらなかったんかい、っていう。
当時の私は、体が疲れているというのは言い訳の部分が大きいんだろうと思っていました。
本当はそこまでして子どもが欲しくないからやりたくないんだ、頑張ってるのは私だけだって。
でも、そんなことなかったのにね、と今になったら思います。
ここでいちばん言いたいのは、私は本人に聞くまでこれを知らなかったということです。
聞いてないんだから、知りようがなかったんですよね。
それなのに当時の私は、勝手に「言い訳や」と決めつけて、勝手に傷ついて、勝手に泣いていました。
だからもし、あなたの旦那さんもうちと同じタイプだったとしたら、うるさい人と思ってるんじゃなくて、ただその時その人のキャパが足りてなかっただけなのかもしれません。
いや、あくまで「もしかしたら」の話なんですけどね。
ちなみにこれ、聞いたのはこの前が初めてじゃないんです。
タイミング法から4年くらい経った頃にも、うちの夫ともう一人の男性に、同じことを聞いてインタビュー記事にしています。
その時の答えも、この前聞いた答えと、だいたい同じでした。
つまり、あの日のあれは、その場しのぎの言い訳じゃなかったということです。
男の人側の言葉がそのまま並んでるので、よかったらごらんください。
温度差じゃなくて、「貴重さの目盛り」がずれてる
結局これって、優先順位の問題なんだと思います。
子どもを持つこと、妊活ということの優先順位が、私たち(あなたと私)の中ではすごく高い。
たぶん第一優先くらい。
でも旦那さんの中では、それより上にくるものがある時もある。
仕事とか、その日の体調とか。
これは愛情があるとかないとかじゃなくて、ただ何を一番に置くかが人によって違うっていう。
もうひとつ気になったのが、「1回が貴重」というあの感覚を、旦那さんがどこまで一緒に持ててるのかなというところ。
卵胞がゆっくりだから、今日のこの1回がどれだけ大事か。
あなたの中ではもう、1ヶ月に1回の、絶対に逃したくない日。
でも旦那さんの中では「今月ダメでもまた来月あるやん、今日はほんまに体しんどいから勘弁して」くらいの温度かもしれない。
これは、どっちが正しいとかじゃないんです。
良い悪いの話じゃなくて、ただ「貴重さの目盛り」が二人の間でずれてる、というだけで。
あと、ここから先はもう完全に私の想像なので、外してたらほんまに申し訳ないんですけど。
もしかしたら、旦那さんが流産のことを考えてる可能性もあるなと思って。
あなたも悲しみを、たぶん全部は言葉にできてないですよね。
それと同じで、旦那さんもまだ飲み込めてなくて、次に踏み出すのがしんどい、ということもあるかもしれない。
男の人って、そういうのわかりやすく出さない人も多いから。
まあ、ほんとのところは本人にしかわからないので、可能性の一つとしての私の妄想です。
私がやってよかったことと、いちばん後悔していること
「察してちゃん」をやめて、具体的に頼むようにした
うちもはじめは「なんで私ばっかり!」とよくケンカしていました。
そのころの私は、今思えば「察してちゃん」だったのかなと思います。
私と同じように悲しんでほしい、私と同じように悩んでほしい、調べてほしいと思ってました。
そのころのことを夫に聞いてみたら、「うにさんが凹んでるから、俺は凹んでられへんと思ったし、色々言わんと寄り添ってたつもり」だそうです。
これを聞いて、完全にすれ違ってたんだなぁと思いました。
途中からは、具体的にやってほしいことを伝えるようにしました。
「○○という治療法が選択肢に上がってるから調べてほしい。私は××を調べる」みたいな。
ある程度任せるようにすると、だんだん指示がなくても、たまに自分からするようになってきました。少ないけど。 笑。
同じ気持ちになってほしい、はすごくわかります。
が、別の人間なので感情への介入までは正直難しいんですよね。
でも、やって欲しいことの共有と、どういえば相手の頭に入りやすいかの工夫はこちらでできる可能性がある。
夫の「疲れてる」を、ちゃんと聞かなかったこと
後悔しているのはこっちです。
タイミング法をしていた時は知らなかったんですけど、シリンジを使ったタイミング法のキットという商品があるんです。
体外受精に進んでから、そのモニターをさせてもらったことがあって。
それは夫もめっちゃ楽だって言っていて、これだったらタイミングもできていたと思う、と言っていました。
あ~~~当時使っていれば。
実際に使ってみた時のことは、こっちに書いています。
ちゃんと夫の気持ちをヒアリングして、調べられていたら、シリンジの情報にたどり着けていたかもしれない。
ここは本当に後悔しています。
私も治療を始めたばかりで、気持ち的にもいっぱいいっぱいだったから、仕方ない面はあるんですけど。
タイミング法がもうほんまにしんどかったせいで、うちは長いことレスでした。
もし同じように悩んでいる方がいたら、まじで1回試してみてほしいです。
うちみたいにならないでほしいです。
じゃあ、どうしたらいいのか
価値観って、合わせようと思って合わせられるもんじゃないと私は思っていて。
だから旦那さんを無理やり自分と同じ熱量まで引っぱり上げようとは、しなくていいと思うんです。逆も然り。
たぶんお互いしんどくなるだけなので。
ただ、「今お互いどう思ってるか」を一回ちゃんと並べてみるのは、やっといた方がいいなと思います。
あなたは「今すごく子どもが欲しいから、月一のこのタイミングは絶対に逃したくない」。
旦那さんは「今は仕事を踏ん張りたいから、正直月一でもしんどい時がある」(旦那さんの本音はわからないので、仮でこうしておきます)。
もしそうなら、その本音を出し合ったうえで、二人にとってちょうどいい落としどころをどの辺に置くか。
「この日やったら俺も合わせられる」「今月は無理そうみたいに言ってもらえれば、私もそのつもりで動く」みたいな線を、一緒に探していく感じです。(例ですが)
タイミングを始めて半年。
これから治療を続けるにせよ、赤ちゃんが来てくれるにせよ、二人で生きていくことになるにせよ、どっちにしても生活は続いていきます。
だからこそ、価値観そのものは一生合わなくても、「お互いが何を思ってるか」だけ見えてたら、すれ違いはちょっとは減るんじゃないかなと思います。
まとめ
旦那さんがあなたをどう思ってようが、これだけは言わせてください。
あなたが今、すごく頑張ってるってことを、私はちゃんとわかってます。
流産のあとで、ほんとはまだ悲しいに決まってるのに、それでも前を向いて次の治療に進んでいて。
そんな中で今日って日に「無理」って返ってきたら、そりゃ、なんで私ばっかり、ってなりますよ。
なって当たり前。

そのモヤモヤ、ぜんぶ正当です。
ひとりで抱えきれない時は、私にお話してみませんか?
私自身も5年半の妊活・不妊治療を経験してきました。
今は不妊ピアカウンセラーとして、たくさんの方からお話を伺っています。
私の体験や考えなども、ご希望されたらお話できます。
アドバイスを押し付ける時間ではありません。
治療方針を決めたり、妊娠する方法を教えたりする時間でもありません。
今あなたが感じていることを、一緒に言葉にして整理していく時間です。
「相談するほどのことじゃないかも」と思っている方ほど、話すと少し整理されることがあります。
整理されると、自分の本当の気持ちや、次何をしたらいいのかが見えてくるときもあります。
- タイミング法で、指定された日に夫から断られてモヤモヤしている方
- 夫との温度差を感じているけれど、ケンカにしたくなくて言えずにいる方
- 流産のあと、気持ちの整理がつかないまま次の治療に進んでいる方
話す内容がまとまっていなくても大丈夫です。今の気持ちをそのまま持ってきてください。
一緒に整理しましょう。
まだ誰かに相談するほどではないけれど、この気持ちをひとりで抱え続けるのはしんどい。
そんな方に向けて、公式LINEでは
「不妊治療中の気持ちを少し整理するお手紙」をお届けしています。
夫にわかってもらえないと感じた時に、自分を責める前に読めるような内容です。
季節のコウノトリ待ち受けや、カウンセリングの空き枠案内も月1〜2回お届けしています。
必要なときに、来れる場所として使ってもらえたらうれしいです。





コメント