こんにちは。
このブログでは、5年半の妊活・不妊治療を経験した「うに」が、体験談や考えたことをお話ししています。
自身の体験談の漫画も描いています→漫画一覧
あなたには、誰かにかけてもらった言葉で、勇気が出たり、心に響いたりした経験はありますか?
今日は私の心に一番強く残っている、不妊治療経験のある80代の女性の言葉についてお話ししたいと思います。
\この記事は、こんな方におすすめ/
- 治療中で、時々心が重くなる方
- 思い描いていた未来と違う道を歩んでいる方
- 新しい一歩を踏み出すのを迷っている方
- 人生の転機で悩んでいる方
\このブログは、音声でも聞けます/
素敵な出会い
当時、接客的な仕事をしていた私の元に、とても上品で素敵な女性のお客様が来てくださっていました。
その方は友人と海外旅行に行くのが趣味で、世界中のおもしろい話をたくさん聞かせてくれました。お話が本当に楽しくて、つい時間を忘れてしまうほどでした。
ある日のこと。その女性がバッグからスマートフォンを取り出され、「最近買ったのだけど、わからないことばかりで。教えてくれない?」と笑顔で話されました。
私が了承すると、「年寄りだからって諦めていたら面白くない。まだまだ知らないことをたくさん覚えたいの」とおっしゃったのです。
80代でありながら、新しいことに挑戦する姿勢に私は心を打たれました。
30代の私でさえ「もう無理かな」と諦めてしまうことがあるのに、その年齢で新しいことに挑戦する姿は、本当に素敵でかっこよく見えました。
心に響いた言葉
ある日、女性から「結婚してるの?子どもは?」と聞かれました。
私は当時不妊治療中で、正直「子どもは?」という質問がとても苦手でした。
いないと答えると、大抵「子どもはいいよ」「早く作った方がいいよ」と言われるからです。この女性も、そんなことを聞くんだ、と少しがっかりしてしまいました。
私は「そうですね~欲しいとは思ってるんですけど、まぁゆっくりやってます」とごまかして答えました。
すると女性は何かを察したのか、「私、昔不妊治療してたのよ。すごく頑張ったけど、できなかったんだ」と話してくれました。
そして、さらりとこう続けたのです。
「子どもは欲しかったけど、いなかったこの人生もすごく楽しかったよ」
当時の私には、その言葉の深さを完全には理解できていなかったかもしれません。でも、今でもその言葉は鮮明に心に残っています。
なぜこの言葉が心に響いたのか。
それは、その言葉に偽りがなかったからだと思います。
子どもが欲しかった気持ちを素直に認めながら、それだけではない人生の素晴らしさや可能性を、自然な形で示してくださったのです。
人生の受け止め方
その方の言葉には、人生をまるごと受け入れる強さと、前を向く優しさが感じられました。
「こうだったらよかったのに」という気持ちを無理に押し込まずに、「だからこそ見つけられた楽しみ」があることを、さらりと教えてくれたような気がします。
きっとその女性も、人生の中でたくさん悩んだり、泣いたり、大きな決断をしなければならない場面があったはずです。
でも、そのすべての経験を「私の人生はこんな風に形作られてきたんだな」って、大切に受け止めていらっしゃったように感じました。
だからこそ80代になっても、新しいことを学ぶ楽しさを持ち、若い世代とも自然に会話ができる、そんな素敵なオーラを放っていたのだと思います。
私も年を重ねていく中で、あのような形で自分の人生を大切に思えるようになりたいなと感じています。
もちろん、全部がうまくいくわけじゃないし、時には落ち込むこともあるでしょう。
でも、そういった時間も含めて、自分の選んだ道を、自分の生きてきた時間を、かけがえのないストーリーとして大切にできる人になりたいと思います。
そして、これからもまだまだ新しい楽しみが見つかることを、わくわくしながら過ごせる人でありたいと願っています。
人生の見方を変えてくれた、本当に素敵な出会いでした。
最後にもう一度、その方の言葉を記したいと思います。
「子どもは欲しかったけど、いなかったこの人生もすごく楽しかったよ」
おわり
今日は、治療中に出会った素敵な女性との思い出をお話しさせていただきました。
自分の人生を優しく受け入れながら、いつも前を向きなその女性の姿は、同じように治療を受けていた私の心に、深く響きました。治療の終わった現在の私にとっても、大切な言葉です。
このブログでは、私の5年半の不妊治療体験やそこから気付いたことなどをシェアしています。
みなさんの「自分」を見つめる時間になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 今日もぼちぼちいきましょう。
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